道場はひとつの社会です。年齢も様々で、幼稚園年中から小学6年までが少年クラスに出席し、中学生から60代の人までが一般クラスに出席します。そこで年上のお兄さんやお姉さんとの付き合い方や、若い世代の人たちとの接し方などを学ぶこともあります。
学校や会社で周りと上手く打ち解けられない人が、何故か道場では他の道場生と非常に仲良く出来たり、活き活きした表情で励ましあったりしています。その時一番大事なのが、礼儀礼節だと思います。
今日も元気な「オス!!」の声が聞こえてきます。もともと「押忍」の精神とは、尊敬・感謝・忍耐を意味すると言われています。私は、その時々の心構えを言葉にしたものが「オス」の意味だと思います。
道場に入るとき、「よろしくお願いします」という挨拶としての「オス」。「わかりました」という返事としての「オス」。「苦しくても最期までやり抜くんだ」という気持ちを手に握り締めての決意の「オス」。道場から出るとき、「今日も精一杯良い稽古が出来た」という感謝の気持ちを表した「オス」。時と場合によって、またその人その人で、いろんな意味が含まれます。
大山総裁が「空手」を子供たちにも分かり易く、「カラテ」というカタカナで表現しました。今日ではカタカナで「カラテ」といえば、「実戦空手」と誰もが考えます。空手界における難しいけど非常に大事な「押忍」の精神を、小さな子供たちが分かり易い「オス」と表現してくれたのも総裁でした。
私たちは道場において、「オス」の精神を大切にし、これからも後世に伝えていきたいと思います。
「空手修行における”押忍の精神”とは、感謝すること、我慢すること、やり抜くこと」